我が心象風景
「冬の昼下がりの海へ向かい軽く瞼をとじるとき」
冬の昼下がり、私は仕事を放棄し海へ開く窓に寄り添う
青い空に、冷たい風と淡い光が私の頬に揺れ動く
潮騒の中に、人々の声が沸き上がる
思い切って瞼を閉じ、耳を塞ぐ
潮風の中、瞼の奥にあの、子どもの頃の・・
遠くまで引いた海が浮かぶ
ざわめきの中に群をつくりながら貝を掘り、
その遠くでは、渦をつくりながら引く潮を追ってゆく子ら・・
そんな思い出にひたる時・
おじちゃん、おじちゃんと呼ぶ声に、思い切って瞼を開ける
そして渦の中でもがいている私に気づく
ふっと、その中に沈んでしまいたくもなる
けれどいつまでも消えまいと、もがく私
おじいちゃん、おじいちゃんと呼ばれるまで生きていたいことがあるわたし
わたしは渦の中で、
時々、昼の潮風を頬に受けて、立ちつくし、涙を流してみたりする
冬の昼さがりの、海へ向かう窓に寄り添い、軽く瞼を閉じて
あとがきーーこれは水俣時代 24歳くらいの時のものです。何かよくわからない自分の存在の不確かさを自覚。小川(実家)の私の机の引き出しから発見。いまもそのような気持ちです。進歩しない私も1月3日で43歳。。あれから20年の歳月が経ちました。